侍を語る記

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歴史瓦版本舗伊勢屋が提供する「史跡と人物をリンクさせるブログ」

2019-07-01から1ヶ月間の記事一覧

高杉の矛盾を投影した奇兵隊 その2

この論法からすれば、上海に渡航してイギリスによる植民地政策の何たるかに触れた経験を持つ高杉が、時代の変革を模索しても肝心の長州藩が動くはずはない。かといって、独りでできることはせいぜい反対論者の暗殺程度であって大局を揺るがすには及ばない。…

高杉の矛盾を投影した奇兵隊 その1

憂国・攘夷の実を思うように達せられないことに悩んでいた高杉晋作は、文久3年(1863)3月15日、長州藩京都藩邸にて10年間の賜暇を願い出た。さらに、翌日には剃髪して「東行」と号す。 「我こそは長州毛利家恩顧の臣」と豪語してやまない高杉がその気持ちと…